障子紙

ガルデイズ7

ガルデイズ7

今、マナはフランクを伴い、生徒会室に向かっていた。サークルの部長会議に出席する為だ。

「……すまん。せっかくの人間の新入部員が」

沈んだ声音で答えるフランクに、マナは破顔した。

「どうしたんです、そんな落ち込んで? フランクさんらしくないですよ」

「本当に、すまん……もう、残り一週間を切ったというのに……あれが、ラストチャンスだったろうに」

 重い足音を発するフランクに、マナは取り繕うように会話を続ける。

「それはフランクさんのせいじゃないでしょう。そもそも、あんな条件を設ける生徒会の方が」

「生徒会がどうかしたのかしら?」

 声に、フランクは弾かれたように歩いてきた道を顧みる。マナはすでに声の主が自分達に近づいてきてる事を知っていたのか、ゆっくりと後ろを見つめた。

 腰まで伸ばした黒髪に、ハーフなのか深い蒼の瞳。彼女を知らない人間が彼女を見たなら、その人物は彼女が本当に人間なのかをまず疑うだろう。彼女の美貌はそれほどまでに現実離れしている。名のある彫刻家の作品と言われても、思わず頷いてしまいそうだ。

「こんにちは」

「……こんにちは、沙紀さん」

「何の用だよ、天下の生徒会長、藤堂沙紀様がよ」

 フランクが不満げに鼻を鳴らしても、沙紀の表情は微動だにしない。

「生徒会のことを言っていたようだから、こちらから聞いてみただけよ」

「いえ、人の部員が来ないから困ったな、と話していた所です」

 抑揚のない返答に沙紀はうっすらと笑みを象る。

「それは、大変ね。あと、一週間でしたか?」

「……心にも無い事をズケズケと言いやがって」

 フランクの悪態は黙殺し、沙紀は唇の端をつりあげたまま。

「生徒会の総意ですから、仕方ないですね。でも、まだ、一週間もありますから」

 マナは『まだ』と『一週間も』の部分だけを強く発音し、営業用のスマイルを整えた

「わかっているとは思いますけど、五人以上の部員が揃わないとサークルを公認することは出来ませんよ。……今年は文科系サークルが激増していますから、非公認サークルに部屋を割り当てる余裕はありませんからね」

「……テメェがバカスカ文化系のサークル、しこたま作ってくれたおかげでな」