障子紙

デイ

デイ

手には、鋭く伸びた爪。灰色の不気味な手が、握手を求めて差し出される。

彼は顔を真っ青にし、速やかに己の精神防壁機構が作動させあた。すなわち、気絶した。しかも、叫びをあげる余裕すらなく。

叫び声をあげると思っていたのであろう、ジェスとロザリアは耳を塞いでいる。二人が塞いだ耳から手を離すのとほぼ同時に、彼はばったりとその場に倒れてしまった。

「あーあー……」肩を落とすロザリア。

「……せっかくの新入部員が」残念そうに呟くマナ。

「やはり、こうなったか」腕組みし、当然という調子でジェス。

「待て! お、オレが悪いのかオレが!」弁解するようにフランクが巨体を揺らす。

「お前以外、何が、誰が考えられる。およそこの世のものとは思えない恐怖を見せ付けられた顔だぞ、これは。弁解するのなら二百字、三分以内、速やかにまとめたまえ」

「ジェス先輩を見た時は、軽く悲鳴を出しただけなんですけどねぇ」

「……可哀想に。泡吹いてるよ、彼」

 三人の容赦なき追及にフランクは頭を抱え、床が抜ける勢いで地団駄を踏むのみ。

「……これじゃ、サークルの公認、絶対にしてもらえないよ」

憂鬱そうに、マナは床に倒れた青年の口元をハンカチで拭きつつ、ため息をついた。