優柔不断
「その……ぼくは、優柔不断で、臆病で、け、決断力も無くて……いっつもいっつも、自分のした事を後悔しているような人間で……あの、だから、確かに『どうしてこのサークルに入ったんだろう』って、お、思わない確信がある訳じゃ、ないんです」
たどたどしく、自分の想いを打ち明けていく。
「でも……そんなぼくでも、これだけは、わかります。今、入会しないと、このサークルは、取り潰される……取り潰されたら後で、ぼくは、ぜ、絶対、後悔するって……」
上げられた風貌に、先程までのオドオドした雰囲気は消えている。その視線は真っ直ぐに、マナとジェスの瞳を射抜いた。
「……こ、こういう理由じゃ、やっぱり駄目でしょうか?」
「やっぱり?」
ジェスが訝しげに眉を寄せる。
「い、いや、そちらの方に、一度、この手紙を見せたら、中身も見ずに入会を断られたので……」
消え入るような声で説明すると、彼はチラリとマナを横目で見る。
(にゅ、入会届だったんだ……!)
……危ない所だった。もし、彼がこうして粘り強く他のメンバーを待っていてくれなければ……ゾッとしてしまう。
「マナ君。君は、ひょっとして、とんでもない勘違いをしたのではないのかね?」
図星だったマナは不自然な咳払いを繰り返す。
「あ、えー、その、まあちょっと勘違いしたのは事実ですけど……まあ、そういう訳だから、入会はいつでも歓迎するよ」
病人のように青い顔を恥ずかしさで紅潮させつつも、マナは歓迎の意を表明。
「あ、あの……本当にいいんでしょうか?」
「それはこちらの台詞だよ。むしろ、お願いしてでも入って貰いたいくらいだ。そうだろう、とんでもない勘違いで、自分で作ったサークルを自らの手で屠る寸前だったマナ・ラングレー部長?」
「……すいません……」
腕組みし、冷ややかな眼でマナを見つめるジェス。青白い顔を赤く染め、ひたすら平身低頭なマナ。事情が良く飲み込めない彼だけが、頭の上に疑問符を躍らせていた。